« 2017年5月 | トップページ | 2017年9月 »

2017年8月の2件の記事

2017年8月27日 (日)

北村薫

本棚の肥やしを少しでも整理しようという事で、『北村薫の創作表現講義』という本を読みました。タイトルの通り、北村薫が大学で行った講義を本にしたものです。えーと、2008年の発行ですね。

ひとつの話題から連想ゲームのように次々といろんな話題へジャンプしてゆく様子はさすが北村先生といった所。その軽快な語りにつられるように、自分自身の読書体験がフラッシュバックするのも気持ちイイです。

とりあえず僕、「腰折」という言葉はもう一生忘れないと思います。ここのくだり、ほぼ100%の読者が「辰巳芸者」を連想したでしょう(笑)

「蹌踉と」って難しい言葉だよね、という話が出た少し後、何事も無かったように「蹣跚と」という言葉が使われていたのも面白かったです。思わず「何だって?」と二度見してしまいました。読めないし…。この奇妙な連鎖が意図的なものではなく、偶然の結果って所がポイントで、これもまた「北村薫あるある」ですねw

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月22日 (火)

フェルマーの最終定理

先日「バーナード嬢曰く」のDVDを見返した影響もあって、長年ずーっと本棚で眠っていた『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン)を読んでみました。何気に奥付見たら2000年1月発行、2002年12月に19刷だって。すげー。

感想は、本当に面白かった、という一言に尽きます。前半、前置きが長いと感じる部分もありますが、後半は一気に読めてしまいました。読みながら、残りページがどんどん減ってゆくのが惜しいという気持ちでした。

ピタゴラスからワイルズまで、数学の歴史を俯瞰しながら駆け抜けるような感覚は、哲学史を扱った『ソフィーの世界』に近い気がします。僕的には、『ソフィーの世界』は一大ブームだったけど、『フェルマーの最終定理』はエヴァーグリーンという印象かな。読み終わった後、文庫版が欲しくなりました。ブックオフにあったら買うかもw

さて、この本、BBCテレビの制作局長がワイルズに取材協力を依頼する場面から始まるのですが、その番組は日本でも放送されました。

当時、海外の教養ドキュメンタリーを紹介する「知への旅」(NHK教育)という番組がありました。現在放送してる「地球ドラマチック」に近いかな。その「知への旅」で、今でも一番印象に残ってるのがこのフェルマーの最終定理の回です。
番組では、メイザー、リベット、コーツ、カッツ、サーナク、コンウェイといった本書の登場人物が実際にコメントしていました。もちろん、「あんな事はもう二度とないでしょう」と涙ぐむワイルズや、「I told you so.」と笑う志村五郎も見れますw

本に出てくる「ラングランズ・プログラム」について。
わりと最近(と言っても2015年か)Eテレの「数学ミステリ―白熱教室」という番組で紹介されてましたね。僕には難しくてさっぱり分かりませんでしたが…

「シリコンの証明」について。
チューリングがコンピューターを駆使してリーマン予想を否定しようとしたエピソードを思い出します。コンピューターが定理の誤りを発見した場合、それは人間にも理解できますが、コンピューターが定理を証明しても人間が納得するのは難しいですよね。「その定理がプログラムによって証明できること」を証明しなきゃならないし、「そのプログラムにバグが無いこと」の証明はもっと面倒くさそうw
ちなみに、リーマン予想に関してもNHKの番組で観ました。こちらはDVDにもなっています。一見無関係な分野に橋を架ける事がブレイクスルーとなるのは、科学の物語に共通するドラマですね。

以下余談ですが、ちょっと個人的な疑問。

第3章の「無限」と「素数」の話の中に「無理数の無限集合は有理数の無限集合より大きい」ってあるけど、これホントなの?うーむ。一方が整数とか不連続なものなら分かる気もする…かなぁ?
ついでに、素数を使った暗号の仕組みが未だによく分かりません。鍵が2つあって、暗号化の鍵だけでは復元できないって事なんだろうけど…難しいっすねー。
あと第6章、微分幾何学と宮岡洋一の話で「対応するフェルマー方程式は有限個の整数解しか持たないことを証明した」という部分。フェルマー方程式の整数解って「無い」か「無限にある」かの2択じゃね?と思うんだけど…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年5月 | トップページ | 2017年9月 »